第二部
第5章 感情線 木星指(人差し指)に流れ込んだ気電流が、最初に到達するのが感情線です。感情線はハートラインと呼ばれますが、それは、臓器である心臓(ハート)の状態と機能を、正確に反映しているからです。 感情線は極めて重要です。なぜなら生命を支える血流を押し出し管理する心臓に関する線だからです。血液の量と質は私たちの健康と気質に大きな影響を与えます。 感情線は木星指の下から始まり、各「宮」の下側を通り、手のひらの端で終わります。この線に、決まった開始点とか終了点はありません。人それぞれで異なっています。そこで個別に判断していくことになります。 古い言葉ですが「暖かい心を持つ」とか「ハートが一杯ある」とよく言われます。これらの言葉は情愛の深い、同情心の厚い人に使われます。既に見てきましたが、強い心臓を持つ人の手はピンク色で、暖かさと健康を示します。つまりこの言葉は正しいのです。つまり健康な心臓を持つ方は温情のある同情心の厚い方なのです。 健康な強い心臓からはたくさんの血液が押し出されます。これは薄弱さとか冷たさとかは反対であることを意味します。つまり「暖かい心」とは臓器の肉体的健康状態を述べているのです。血液の流れが十分で暖かさがあると、人々はその暖かさに惹きつけられます。 したがって、肉体的に強い心臓は、健康を意味するだけでなく、強い魅力を持っていることも意味しています。逆に弱くて無気力な心臓は、白色を生み出し、生命力が不足した血液を押し出します。その結果は暖かさの欠如であり、愛情のエネルギーが少なく魅力が弱いことを意味します。 感情線から愛情の違いを読み取ってきた人にとって、肉体的な心臓の強さと、愛情の強い直接的な結びつきに、気づかないことは不可能です。心臓の働きが強い人は、愛情も強く、心臓の働きが弱い人は愛情も薄弱なのです。したがって感情線は肉体的な心臓の強さを示しているだけでなく、愛情の性格や強さも示しているのです。 感情線が無い場合 手のひらに感情線が存在しないケースは少ないですが、たまにはあります。よく出会うのは「宮」の下に一本だけ線があり、手のひらを横断しているケースです。あなたはそれが感情線なのか頭脳線なのか迷うことでしょう。 感情線が欠けている手はたくさん観たことがありますが、頭脳線がまったく欠けている手も、実は、一度だけ見たことがあります。(この原稿の時点で、頭脳線が存在しない手相を図版でお見せしようと思いましたが、確認のためこの方の手を確認しましたら、1年後になるのですが頭脳線が現れていました)。 手の線が、心臓ではなく頭の脳によってコントロールされているとしたら、頭脳線がほぼ確実に存在する理由が説明ができます。全ての線を作り出しているのですから、頭脳を示す線があって当然です。 しかし頭脳線が極めて初歩的な発展段階にあることはよく見受けられます。頭脳線が有るべきところに一本だけしか線がないならば、それは頭脳線と見なすべきであり、感情線が存在しないと観るべきでしょう。 この一本の線が感情線であると見なすには、この線が第24図のように木星宮の上部から発生して、各「宮」のすぐ下を走っている必要があります。これならば頭脳線があるべき位置からは、かなり外れています。 感情線が存在しない場合、その不在は同情心の欠如、愛情深さの欠如を意味します。したがって、この方は冷血で利己的で、他人を犠牲にしても、損害を与えても、個人の利益を追求する可能性があります。これはよくない特徴で、単純な利己主義から偽善者、ペテン師、不公平な人、嘘つきに発展する可能性があります。 感情線が存在しない特徴が、悪い水星人(小指の宮)や特別に鋭敏な水星人の手に現れていたら、不正直な人であることが分かります。この方の水星の指(小指)が曲がっていたりねじれており、爪が細く短ければ、この方を信頼することは出来ません。この方は嘘つきですし、ペテン師ですし、人を騙し、盗むなど、あらゆる手を使っておカネを取ろうとします。このような手は冷血な不正直者の典型です。 火星人の手に感情線が欠けているなら、この方は破廉恥な人で、冷血で、血に飢えており危険な存在です。この方は激しい勢いで肉体的に燃え上がり、犠牲者への配慮無しに欲望を貪ります。 土星人(中指の宮)に感情線が存在しないのも、よくない知らせです。なぜなら土星人はもともと人類に対して憎しみを持っており、その恨みをどん欲に晴らそうとするからです。その結果、この方が不正直になる確率は高まります。 木星人(人差し指の宮)に感情線が欠けているケースはほとんどありません。もし木星人に感情線がなければ上記の3つのタイプのどれかに当てはまるでしょう。 太陽人(薬指の宮)の場合、欠陥のある感情線が観られるかもしれませんが、完全に欠如していることはありません。金星人も同じです。この二つのタイプの人々はあまりにも同情心が篤いので感情がまったく欠如しているということはありません。 月宮人の場合は、感情線が無いことや不備なことがあります。月宮人は基本的に冷たく利己的だからです。ありがたいことに月宮人に出会うチャンスは少ないでしょう。 このように感情線の欠如は、その方にハートがないことを示します。この方は、冷たく利己的で卑劣で、ずる賢く、時にはおおぼら吹きで、虚勢を張ります。 感情線のスタート位置 感情線は木星宮(人差し指の下)の近辺からスタートします。時には土星宮(中指の下)からスタートしたり、土星宮の上を通るときもあります。スタート時点がフォーク状に別れているときもあります。フォークの先端は木星宮の近辺にあることが多いですが、遠く土星宮にまで伸びていることもあります。 3つの地点からのスタートに関しては、すでに確立された判断方法があります。これを基礎にしてスタート地点の変化を考慮して、判断を下すようにしてください。 1:第25図のように木星宮から出ている場合、この方の親愛の情は感傷的です。この方にとって愛は理想ですし、愛は憧れの的で、たとえ貧しくとも愛が大切で魅力的に感じます。 2:第26図のように人差し指(木星)と中指(土星)の間からスタートしている場合、この方は情愛に関して常識があり、実際的で中立的です。したがって感傷に流されることも無く、愛を実際的な面から眺めます。この方はソフトでも、情にもろくも無く、小屋に充分なバターとパンがない愛など神話であり、成立しない、と考える傾向を持ちます。この方は感傷に流されませんが愛情も深く、感性が豊かで馬鹿ではありません。 3:第27図のように土星宮からスタートしているようならば、この方の情愛は官能的で、性的関係に喜びを見いだすという考えを持っています。この方の金星宮がピンク色あるいは赤色で、さらに生命線と水星線が強ければ、間違いなく性的快楽に喜びを見いだす方です。つまり感情線がスタートする場所から肉体的欲望があることが分かり、その望みを達する肉体的強さがあることが、他のサインから読み取れるわけです。 第28図のように感情線が上記の3ヶ所から同じようにスタートしているフォーク状なら、その方は、感傷的な情愛、常識、性愛への情熱の全てを備えています。この方にとっては感情が支配的な要素です。そこで鮮明な頭脳線と強い親指を持っていないと、頭脳も感情に支配されてしまうでしょう。 このように3ヶ所からスタートしている時は、スタートの時にどの線が一番深く刻まれているかを見てください。それで感傷か常識か情熱のどれが一番勝っているかが分かります。 3ヶ所からスタートしているような手相を持つ方は情愛に溢れています。暖かい心を持ち、一般的に友達・人間関係・人類を愛しています。この方の危険性は、心が豊かすぎることで、時には人の利益のために自分の利益を省みないことがあります。この傾向は、木星指(人差し指)からスタートする線が一番強いと、高まります。人差し指と中指の中間からスタートする線が一番強いなら、この傾向は減じます。実際的な面が強まるからです。 感情線のフォーク状の線は第28図のように鮮明ではないかもしれません。たとえ薄い線でも、ここで説明した方法で判断してください。時にはフォーク状の線の全てが木星宮からスタートしているときもあります。この場合は、1本線よりも感傷的な面がさらに強まっていると見てください。他の場所からスタートする線についても同じことが言えます。 原則的には1本線の場合は、情愛がその方の内部に留まります。この方は家族や友人を強く愛しますが、フォーク状の線を持つ方のように全ての人々に愛を降り注ぐわけではありません。 スタート時点の線が深く鮮明ならば、その線が深ければ深いほどその方の愛は深いですが、利己的です。枝分かれが多いほど、多くの人々に、愛が注がれます。スタートのところでフォーク状の線を持つ方は、人生において成功するでしょう。多くの友達がいるからです。 感情線は第29図のように、スタート時点で頭脳線の方に垂れていることがあります。これは頭脳がリード役を果たしていることを示します。したがって感傷と実用を選択する場面では、実用、つまり頭脳が優先されます。 第30図のように感情線が頭脳線からスタートすることもあります。これは頭脳が感情を完全に支配していることを示します。もしも頭脳線が感情線よりも深く鮮明ならば間違いありません。もしこの様にマークされていたら、頭脳が完璧に感情を支配していると自信を持って言えます。 第29図や第30図のような頭脳線と感情線の関係ならば、両者の間で優位を争う格闘が続けられていることを意味します。その結果、頭脳が勝つケースが多いでしょう。なぜなら感情線が下降しており、その源泉を頭脳に求めているからです。 私たちの手相の研究では、どの力がもっとも強く働いているか、どの力が一番大きな影響を与えているか・・・の発見に力を注ぎます。頭脳と心、理性と感情の闘争においては、感情線の出所を細かく検討します。それでどちらの線がどの程度強いか、どちらが支配するかが分かります。 頭脳線から感情線がスタートする場所が、線の始まりとは限りません。第31図のように、頭脳線の途中からスタートすることがあります。この場合、頭脳線から感情線がスタートする位置を見て、何歳頃に感情線がスタートしたかがわかります。第4章で述べた年齢の読み方で、頭脳線から年齢を読み取ってください。 「宮」を考慮に入れる 上記の検討をするさいに、顧客の正しい「宮」のタイプを理解してから行うとさらに判断が容易になります。 頭脳にもっとも支配されやすいタイプは土星人(中指)です。次に月宮人、水星人(小指)、木星人(人差し指)、火星人と続きます。頭脳に支配されるケースが多い確率は、この順番です。太陽人(薬指)と金星人の場合はハート(感情)によってリードされる傾向があります。このように「宮」と、線の示していることを総合すると、完璧に正確な判断が下せます。 次に注目すべきは線の長さです。これによってハートの量が多いか少ないかが分かります。第32図のように短い感情線が示唆するのは、線が途切れる頃にその方が困難に出会うことです。それは他の線が通常通り長くても変わりません。このように感情線が突然終わるのは、この方の心臓の鼓動が止まるか、あるいは他者への愛情がほとんど無いことを意味します。そのどちらなのかは、方向で判断しますが後ほど説明します。どちらにしても、これはよくない特徴です。 第33図のように感情線が手のひらを横切るなら、この方はハートの量が多すぎます。その結果全てを感傷で決めることになります。ビジネスにおいてこの方は人を雇うのに、その方が仕事にふさわしいからではなく、仕事を必要としているから雇います。どんな仕事についていても、この方は感傷に導かれます。この方は嫉妬しやすいですし、多くの愛を与えますが見返りが少なくて苦しむことになります。 昔の手相家は、手を横切る線が、木星指(人差し指)の中まで上昇するのを見て、「いかなる事業を行っても失敗する」人だと判断しました。このように判断したのは、このような手相を持つ方は、すべてにおいて感傷に導かれるので、冷酷な陰謀家にはとても太刀打ちできないと考えたからでしょう。このような方でも「全ての事業に失敗する」とは言えないと、私は思います。しかしこの方は感情の問題において実際的な方と、気が合わないかもしれません。したがって「感情が多すぎる」という私たちの判断がベストだと考えます。 線のコース 線の長さの判断に満足したら、次は手のひらを通る線のコースを見てください。といっても線の全体をザーと眺めろと言うわけではありません。そうではなく、方向に変化がないかを見ます。どの方向に曲がっているか、どの程度そのコースを続けるか、線の性格はどのようなものか、何歳頃始まるか、などです。もしもこのような変化がたくさんあるならばその全てを検討します。その期間の長さを含め、線に起こる全ての変化に注意します。このように細かく分析することで、この方にどのような出来事が有ったのか、いつごろのことか、についての完璧な歴史が分かります。 線のコースと言った場合、線の欠陥は別です。線の欠陥については後ほど説明します。コースというのは手のひらにおいて線の進む方向のことです。木星宮は別ですが、感情線は通常、土星宮、太陽宮、水星宮の下周辺を通ります。したがってコースがこれらの「宮」の底辺を順調に滑らかに通って手の端に到着しているならば、正しいコースから外れていません。 コースが第34図のように、どこかの「宮」に向かって上昇しているならば、感情がその「宮」に強く惹きつけられていることを示します。つまりこの方はこの「宮」に属する方やその気質を愛しています。気電流は、手を通る時に、常に影響を受け、いろいろな方向に惹きつけられます。このケースではこの「宮」に惹きつけられて線が曲がったのです。 一つ以上の「宮」に惹きつけられて上昇しているケースは稀です。もしそのような変化があれば、この方向に惹きつけられる年齢を示しています。他の年齢でも惹きつけられているなら、それは感情線から派生するチャンス線など別の線で示されます。その線は惹きつけられた年齢の時に「宮」に向かいます。 感情線が「宮」の方に曲がっていれば、それだけでも年齢と、何に魅了されたかが分かります。線が偏向して「宮」の中で消えていたら、「宮」の魅惑があまりにも強く感情が完全に降伏したことを意味します。 線が上昇してから、すぐに元のコースに戻っているなら、魅惑に惹きつけられましたが、虜にはなりませんでした。偏向している線の長さを見れば、年齢からその傾向がいつまで続いたかも分かります。どの程度コースから外れているかを見れば、どの程度、深刻に惹きつけられたかが分かります。しかし大きくコースから外れる線を見ることは少ないでしょう。そういう場合はチャンス線が主要線から分離して、魅惑の源泉の方に走ることが多いからです。 一方、わずかに偏向するケースにはたびたび出会うことでしょう。それらは重要です。なぜなら、主要線を本来のコースから偏向させるということは、それが極めて強力な魅惑だということを意味するからです。感情線がどこかの「宮」に偏向していたら、その「宮」に属する人々はこの方を魅惑し、この方に大きな影響を与えます。この「宮」に属する人々の風采や気質は、この方にとっての理想です。そこであなたは、この方が好きな人物のタイプを述べることが出来ます。時には風采まで言えます。線が偏向した先の「宮」のタイプの典型的風采を述べればよいわけです。 第35図のように、線が凹んでいる場合は、その時期に感情に対して頭脳が強力な影響を与えたことを示しています。理性と頭脳が、感傷的な感情を支配するわけです。頭脳に支配されている時期、この方は人々に無関心で強欲で、利己的で冷酷です。感情線の偏向はコースのどの時期においても起こります。曲がり始めたところが年齢を示し、新たな傾向が始まります。 第36図のように感情線が頭脳線に吸収された場合、独立した情愛の気質が失われたことを意味します。この方は頭脳によって完全に支配されます。 第37図のように、頭脳の方に深刻な偏向した後に元のコースに戻っているケースもあります。これが示すのは情愛に溢れる気質がまだ残っており、世俗的な利益や頭脳が、完全に感情や感傷を支配できなかったことを示します。しかしこの方は頭脳が中心で情愛は少ないでしょう。 頭脳線の方向への曲がり・偏向は非常によく見られます。しかもその多彩なことは無限です。よく見ないと分からないわずかな曲がりから大きく下に偏向するものまでいろいろです。そのレベルがどのようであれ、頭脳の力が引き寄せているのです。その方の感傷的な面を乗り越えようと頭脳が努力し、あるとき大きく、あるときは小さく線を曲げ、さまざまな影響を与えるのです。 顧客の「宮」のタイプを見ることも大切です。それにより疑問が解消されます。土星人(中指)の感情線に下降の偏向が起こっていれば、恐れずに判断はできます。なぜならもっとも偏向が起こりやすいタイプだからです。タイプから判断していくときには、厳しく決めつけないでください。金星人の場合、全て頭脳線で、感情線がまったく無いというケースはまずありません。 このような線の変化は無限です。しかし原則に精通して理解していれば、正確に判断できます。偏向の程度を判断するには優れた判断力を必要とします。 第38図のように感情線がコースを外れて下降し、頭脳線と一緒になるのではなく、横切ってしまったり、あるいは横切った後、元のコースに戻ることがあります。これが示唆するのは頭脳線に重大な損傷が与えられたことです。感情線が頭脳線を横切る時期、この方は頭脳面でバランスが崩れたり、高熱で脳が冒されたり、死を迎えることになります。このようなマークが出来る時は、必ず大問題が起こっています。 頭脳線と感情線が交差 頭脳線と感情線が交差するのは、電気でたとえるならば、ショートしてフューズが飛ぶか、爆発が起こったようなものです。その場所が頭脳線ですから、爆発は脳で起こっています。一番ありそうなのは脳卒中です。脳卒中の厳しい試練に耐えて生き残った場合には、頭脳の損傷とか麻痺が残るでしょう。 このような場合「宮」のタイプをよく確認してください。 木星人(人差し指の宮)でしたら、脳卒中になりやすいタイプですから、このようなマークを見たら簡単に判断できます。 土星人(中指の宮)は麻痺になりやすい素因を持っているので、そのように診断できます。 太陽人(薬指の宮)は盲目と心臓病の素因を持っていますから、ここでは心臓発作などが考えられます。次に考えられるのは脳に欠損が起こり盲目になることです。 水星人(小指の宮)は神経病と胆嚢に問題の素因を持っていますので、麻痺が考えられます。 火星人ならば、血液の流れる量が多く、脳卒中の危険があります。 月宮人と金星人にこのようなマークが現れることはまずありません。 激しい脳卒中のケースでも、死なない事があるでしょう。その場合は頭脳に損傷・障害を残します。どちらにしても感情線が頭脳線を切ってしまう手相は極めて深刻なケースです。 横切った時期の生命線と土星線(中指に向かう線)も見てください。同じ時期に停止していたり、偏向していないかを見るのです。停止していたり、曲がっていればコトはさらに深刻です。 感情線の偏向と頭脳線の切断は、手のひらの何処でも起こることがあります。事が起こる年齢は線から読めます。線が切断されるところの色が赤く、線が深ければ、事はさらに重大です。爪の色や爪がフルート状かどうかを検討して、心臓病や麻痺の素因を抱えているかどうかを見ます。 感情線のコースの規則をまとめましょう。コースのあらゆる偏向は、感情の変化を示します。変化が起こる年齢や時期は、線の変化があった位置から判断できます。さらにその変化が重大かどうかはマークの深さや強さで分かります。これらの多彩な違いを正しく判断するには訓練が必要です。 これまで感情線の始まりからどのコースをとるかを見てきましたが、次はどのように終わっているかを見ます。線の開始点からは線の性格を読み取りましたが、線の終わりで分かるのは、その結果です。 線の終わり 第39図のように木星指の下から始まり土星指の下で終わるなら、暖かい心で始まった感情線がすぐに冷たく冷酷な土星人の特質に変化しています。つまり人類を嫌悪する土星人の特質が現れ、暖かな心から冷酷な心に変わります。理想的な始まりだったのに、土星人の特質の影響で無関心に変わってしまうのです。 このようなマークを見たら、爪を見て麻痺や心臓病の傾向がないかを調べます。また生命線を見て、何か障害が起こっていないかも見ます。水星線には肝臓や胃腸の欠陥が現れます。もしこれらの場所に症状が現れていたら、この方の寿命は長くなく、25歳ぐらいで終わります。つまり、ちょうど感情線が土星宮で終わるあたりです。 第40図のように太陽指(薬指)の下で終わるようなら、この方は太陽人の特質である美や芸術に魅了されます。この方の結婚相手は太陽人、あるいはその要素の多い方とでないと不満が残ります。このような感情線の終わりかたで、さらに木星指のところに線が上昇していれば、理想的な愛が与えられます。太陽人の性格が加わり、美と愛と優雅さを愛します。 太陽人の健康面での欠陥は心臓にあります。感情線が太陽宮で終わるようなら、爪を調べ、感情線・生命線・水星線の性格を調べます。これらに心臓病のサインがないかを調べるのです。 太陽人の持病が心臓病であり、爪とか色でそれが示されている事を知っていれば、この様な線が性格的な問題なのか病的欠陥を示しているのかを区別できます。感情線が太陽人の場所で終わっていたら、まず心臓病かどうかを調べます。心臓病の欠陥が示されていないならば、感情の変化だと分かります。 第41図のように感情線が水星宮の上のところで終わっていれば、この方の愛情はおカネに大きく影響されます。水星人の抜け目なさが感情線をリードするわけです。この方の場合、愛を認識するのに、まずおカネが目の前に必要です。この場所で感情線が終わっていれば、健康問題について基本的に調べなくてもよいでしょう。水星人は心臓に欠陥があることは少ないからです。それでも健康問題には注意を払うべきです。問題の無い筈の場合でも、問題が存在するときもあるからです。 感情線がどのようなコースをとるべきなのかを覚えておいてください。感情線には気電流が流れていることを忘れてはいけません。コースが偏向するということは、この気電流が正しいコースを流れずに、漏出して別の予想外のところに流れ出ているということです。 第42図の感情線は、まったく正しいコースをたどっていません。頭脳線に吸収されています。このような手相を持つ方は冷酷で、心がないと見てよく、感情線が欠如していると見てください。この方は感情線が木星宮からでていることからみて、極めて野心的です。野心の達成のためには他の方の利益・福祉など無視します。 第43図のように感情線が始まってだいぶ経ってから、頭脳線に吸収されることもあります。これが示唆するのは、第42図と基本的に同じですが、もっと温厚です。感情線が吸収されるまでが長いのでそれだけ温和になるのです。第42図では感情線が無く頭脳線がフォーク状で始まっていると見ることも出来ますが、第43図では感情線が長いので、その結果はより良いものだといえるでしょう。 第44図のように感情線が火星宮の上で終わるようなら、それぞれの宮と感情線の間に、あまりにもスペースがありすぎます。この方の思い入れは火星人タイプの人々に集中するでしょう。この傾向にある人々は火星人のぶっきらぼうで無愛想なところとか、強さに熱烈に魅かれます。一方、四角に囲まれる中庭部分が狭くなり、その結果、秘密めいた傾向が出て来ます。 感情線が険しく下降し月宮にまで達するならば(第45図)、その方は極端に嫉妬深いでしょう。第一に感情線が長すぎますし、その上、月宮人の想像力が働くからです。この方は愛する人の行動の全てを拡大して見て、不信感を持ちます。これは最悪の組み合わせです。しかしこれは生命の危険を意味しません。なぜなら頭脳線を横切っているわけではないからです。 第46図のように感情線が曲線を描き火星の平原で終わるようならば、これは重大な危険にさらされています。頭脳線を感情線が真上から切断しているからです。気電流は火星の平原(短気・興奮を示す場所)に流れ込むことになります。その結果、生命に危険が及びます。この方は苛々しやすく、愛憎の変化が激しく、常に刺激を求め、とても馴染みにくい人柄です。生命線、頭脳線、金星線を注意深く観察し、この方の抱える問題が深刻かどうかを見極めてください。切断された年齢の頃の、他の線を観察することであなたの判断を確認できます。この線を火星の平原から発する土星線と混同しないように注意してください。 この線が木星宮の深くまで入っていたら感情線だと判断できます。この線が土星宮のほうに向かっていたり、木星宮の端にまでしか行っていないならば、それを土星線と読んでください。そうなると感情線は存在しないことになります。 この線が曲線を描き、金星宮のあたりで終わるなら、重大な結果をもたらします。なぜなら、頭脳線と生命線の両方を切断しているからです。これは珍しい手相ですが、切断された場所に注目してください。そして、その後の頭脳線と生命線の状態を観察します。どちらかの線に欠陥があれば、頭脳に障害が起こり、生命が危険にさらされていることが分かります。生命線が切断された後、弱い線になって消えていくようならば、生命が終わることを告げています。 ここで感情線のあらゆる変化について述べようとは思っていません。ただ全てに通用する原則的な見方を示したいと思っています。複雑な組み合わせを理性的・論理的に判断する方法を示したいのです。この方法を学べば、自分で判断が出来るようになり、全ての図版を記憶することなどの必要が無くなります。 つまり理由付けの方法と正しい習慣を教えたいのです。この方法にしか価値がないと思います。手相を判断するにあたっての習慣を身につけ、多彩な組み合わせについての考え方を習得すれば、この本を捨て去ることも出来ます。 感情線の性格 次に感情線の性格について見ていきます。これは最も大事なことで全体を注意深く見る必要があります。といっても全体を漠然と眺めるのではなく、始めから終わりまでを微細に観ていくのです。 完璧な感情線は、深くて滑らかで、破断されていなく、島も無く、欠損が見当たらない線で、色もよく長さも正当なものです。このような線を持っていれば、肉体的にも立派な心臓を持っています。血液の循環も優れ、愛情も深く変わらず、穏やかで、愛情関係でも信頼できます。軽薄ではありませんし感傷的でもありません。 この方は豪胆で勇気があり恐れを知りません。この方は情熱的に愛するだけでなく、その愛にブレがありません。しかしこの方は、感情を表に出すことを好みません。他者から情熱的な愛の行動を示されることも好みません。そこで時には冷たい人だとか近寄りがたいなどと思われます。でもこれは間違いです。この方は献身的に愛しますしブレもありません。ただ、露骨に見せることを好まないのです。 感情線が深く刻まれていれば、器官としての心臓の弱さ来る心臓病の心配はありません。したがって線に健康の欠陥を示す兆候も見つからないでしょう。この様な感情線を持つ方は、あまり多くの情事をもちませんが、持つと深く強いでしょう。この方は愛する人を信頼します。それが裏切られると厳しく傷つきます。静かで表に出ない気電流が、深く流れているからです。 この方は、誰にでも愛情を振りまくようなことはしませんが、愛情を感じる人や友人には安定して変わらぬ献身をします。このように鮮明な感情線は気電流にとって最も優れた運河です。障害物はありませんし、その結果、心臓の働きは優れ、信頼できる強い情愛の持ち主です。 感情線が細く小さいなら,この方は他の方の面倒を見ませんし、心も狭く、勇気がなく、臆病で、同情心に薄く、誰に対しても本当の愛情を感じていません。この方の時に見せる愛情表現の動機は、利己的です。 感情線が細いとして、上のような判断を下すには、本当に線が細い必要があります。間違えないでください。細いかどうかは他の線と比較します。他の線が深くて感情線だけ細いのなら、感情線だけ異様だということになり、上記の判断をすることが出来ます。 感情線を判断するときは「宮」のタイプを考慮に入れることも大切です。木星人と金星人は最高の種類の感情線を持つことが予想されます。 太陽人は心臓病を示す印が線上にあるかもしれません。それを除けば太陽人の感情線も優れており、愛情豊かでしょう。 火星人は優れた感情線を持っていることが予想されますが、強すぎるかもしれません。優れた水星人はよい感情線を持っていますが、劣る水星人は細い感情線をもっており、利己的で人に無関心で利己的なことばかり追及します。 土星人ならば優れた方ならば深い線で、劣っている場合は細い線になります。 月宮人はもともと冷たくて利己的です。そこで細いか、あるいは鎖状の浅い感情線を持っていることが予想されます。 細い線を持っている人が、「宮」から見て変則ならば、線を注意深く見てください。しかし判断は当然細いと予想される「宮」の方とは異なってきます。たとえば金星人の線が、月宮人の細い線と同じくらい細くても、月宮人の場合ほど深刻な判断はしません。 感情線の幅が広く浅い場合 感情線の幅が広く浅い場合は、心臓の働きが肉体的に弱いでしょう。愛情も同じように弱いでしょう。手相が弱々しければ、この方は移り気です。手の他の線が優れていれば、感傷的で愛情を豊かに表現します。この方は情熱的に恋愛に溺れますが、素敵な人に出会うと、すぐに相手を変えます。この方々の感情線は幅広く浅いのですが、情愛においても同じです。 彼らは会うたび事に「愛してるよ!」と言われることを好みます。彼らはあなたが繁栄しているときには愛しますが、試練の時が来ると背中を向けます。彼らは本質的に、深くて強い情愛は持っていません。彼らは人と持続的に接することが出来ないのです。これを私たちは「センチメンタル(多感)な感情線」と呼んでいます。 これらの事実を知っていると、結婚生活がどうなるかの予測をするときなどに役に立ちます。感情線を見ると不運の暗雲が低く垂れ込めてきたときに、だれが頼りになるかを教えてくれるからです。幅が広くて浅いタイプの線を見たら、それを「宮」のタイプと照らし合わせ、この「宮」ならどのような影響があるかを考えてください。 太陽人にこの手相が見られたら、健康に欠陥があります。つぎに色、爪、生命線の欠陥を確認してください。それらを見るとどの程度深刻な健康問題なのかが分かります。 このように幅が広くて浅いのは、感情線だけなのかどうかも見てください。そうならば、はっきりと意見を言えます。他の全ての線も似たような状態ならば、この方は全体的に欠陥を抱えています。 感情線が鎖状 感情線が鎖状ならば、気電流にとって常に障害物があることになります。心臓の働きも不安定で、血液の循環も弱く、一般的に言って心臓の働きが弱いでしょう。 このときも「宮」を考慮に入れることが大切です。この方が太陽人の傾向を強く持っていたら、深刻な心臓病を疑うことになります。 生命線が細く、島があり、壊れているなどの欠陥があり、さらに感情線が鎖状ならば生命に危険がある心臓の問題があることを示しています。生命線がどこかで特別に深すぎるようならばさらに危険です。その上、そこに星印が見えれば、その方は心臓病で突然死をするでしょう。太陽宮の下の辺りで両手にこの印が現れていたら、そのかたは確実に心臓病で突然死します。 鎖状の感情線は愛情の不安定さを示します。この方はある日誰かをとても愛していると思いますが、次の日にはすぐ気持ちが変わります。あるときは素晴らしい愛情を示して近寄ってきますが、次の時には、まったく関心を見せません。この方の心はぐらついており変化し、臆病で不確実で弱いのです。 気電流が常に障害にあっているということは、深くて恒久的な運河が出来ていないということです。その結果、恒久的な健康も愛情も生まれないのです。このような鎖状の線が感情線だけに観られるかどうかは重要です。他の線は深くて明瞭な切り込みになっている事もあります。この場合は、とくに感情線に気をつけて手相を見ましょう。全ての線が鎖状ならば、感情線も他の線と同じように欠陥があることになります。手相を見る時にはこのような均整をみることが大事です。 このようないろいろな線が、最初から最後まで鎖状であったり、深く刻まれていたり、幅広く浅かったりするかのように述べてきましたが、それは稀です。 通常の場合、感情線の始りは深く綺麗に刻まれており、手の上を通り抜けるうちにいろいろな形状に変化するものです。これまでに述べてきた線の形状の特質は、その形状を取っている間だけに適用されます。線の形状が変化したら、そのかたの感情なども変化しています。線の性質が変わる事に、その方の性格にも変化が表れています。線から変化が起こる年齢を割り出します。期間も分かります。 何歳からどのような変化が起こり、それがいつまで続くかが分かるのです。 第48図の場合 第48図のように感情線が深く見事に刻まれてスタートしてそれが土星指(中指)の下までつづき、そこで広く浅くなり太陽指(薬指)の下までその状態が続き、次に細くなり水星指(小指)まで続き、最後は鎖状になる場合を観てみましょう。 この場合、24歳ぐらいまでは線が深く見事に刻まれ、43歳ぐらいまで幅広く浅くなり、その後、60歳ぐらいまで線が細くなっています。そして残りの人生は鎖状です。 これは次のように解釈できます。この方は、人生の最初の頃、非常に暖かい心を持っており、ぶれがなく、信頼できる、愛情も強い方でした。24歳頃にこれが変わります。この方は弱くなり、心変わりをするようになり一貫性が無くなります。43歳頃からはきわめて利己的になり、冷たくなり、自分の利益のみを考えるようになります。この状態が60歳まで続きます。その後、さらに体も弱くなり、血の循環が悪くなり、心が揺らぎ臆病で、情愛にも信頼が置けません。この状態が死ぬまで続きます。 この例で、線の各部に観られる形状が、何を示唆しているか、その一般的な法則を当てはめる方法を示しました。このような線の変化は多様で無限です。しかし基本的な線の読み方に習熟していれば、それらを当てはめることで判断が出来ます。線の深さ、浅さ、細さ、鎖状などを読み取り、それに年齢を当てはめればよいのです。 現在の年齢から見て、過去の線に現れているマークは過去に起こった出来事です。現在の年齢よりも後の線に現れている形状は未来を示します。過去に起こった事を正確に判断して、それがその方も同意する内容でしたら、未来の出来事もきわめて正確に予測できます。線の変化を見て大胆に判断しても大丈夫です。もっとも、そのような詳細な診断を下す前に、線の性格を非常に正確に診断できるようになっていることが大切です。 感情線はスタート時点では深く刻まれているケースがほとんどです。一方、人生が終わるころには、線の幅が広く浅くなったり、鎖状・房状になることが多いものです。その理由も明快です。人生の最初の20年間は、臓器としての心臓が最も強い時期です。それが歳をとるとともに疲れてきます。つまり初期の深く刻まれた線は、心臓の強靭さを表わしているのです。 人生のこの時期において、若者はまだ経験も浅く、人類の誠実さなどに疑いを持っていません。その結果、線は完璧な姿を取りがちです。年齢を重ね心臓も弱ってくると、線に欠陥が出て来ます。歳をとり、人々から愛情を示されたり甘やかされることを好むようになると、若い頃のような強くて深い線が消え、線が浅くなり、感傷的になります。 色 あらゆる感情線で、色は重要な役割を果たします。感情線を観察するときに、まず、感情線の始りから終わりまでを指で押してみましょう。そして圧力の下で血液がどのように流れるかを観察するのです。これで血流の強さが分かり線の色を見極めることが出来ます。ある線では血液が自由に強く流れています。別の線では血量が少ないことが分かります。 感情線では色が特に重要です。色でその方が暖かい心の持ち主か、あるいは冷たい心の持ち主かが分かるからです。もしも深くて鮮明に刻まれている感情線なのに、色が白ければ、色がピンクなほど心臓の働きが強くないことを示します。深い線ならば、心臓は本来、強いはずなのですが、色が白いことで、何らかの理由で心臓が弱くなっていることが分かります。 こういう場合は両方の手を観てください。もしも左手の線の色がよく、右手が白いならば、この方の心臓はもともと強靭なのですが、何らかの理由で損なわれ弱くなっています。感情線が白色ならば、線が基本的に優れていても、通常よりも心臓の活動が弱いと見てください。同時に感情も冷たいでしょう。 色を見るときは「宮」のタイプも考慮に入れます。冷たい色と心は主に月宮人に見られます。次に土星人です。3番目に多いのが水星人です。火星人、太陽人、木星人は暖かい心を持っています。 感情線の色が白色なら、冷たさを「宮」タイプに加え、その結果を考察します。4つの暖かい心を持つ「宮」タイプならば、その暖かさが減少します。冷たい心のタイプならばさらに冷たくなります。 線の幅が狭く細く、あるいは広く浅く、あるいは鎖状ならば、白色は彼らの冷たさ、利己主義、優柔不断さ、気まぐれなどが、それぞれ強化されます。この場合も両手を見てください。状態がよくなるのか悪くなるのかが分かります。 感情線がピンク色ならば、深い線も正常に機能しています。そこで心の暖かさ、安定、信頼性も保証されます。ピンク色が、もともとから暖かい「宮」タイプに見られたら、さらに暖かくなります。細い線がピンク色ならば、利己主義と心の狭さが改善されます。幅が広く浅い線や鎖状の線がピンク色ならば、移り気が改善されます。幅が広く浅い線や鎖状の線の場合、ピンク色で、初めて不安定な面が救われます。 赤色は豊かで濃い血が流れていることを示します。このような方は感情が炎のようです。これは心臓が強すぎて危険です。火星人タイプの場合は赤色が予想されます。それ以外のタイプでは、赤色ではあまりにも血液の流れが強すぎます。 赤色は木星人にもよく見られますが、このタイプにとってよいことではありません。木星人は食べ過ぎの傾向がありますが、脳卒中になりやすく心臓に欠陥を持ちます。したがって典型的木星人が赤色の線を持っていたら、危険な兆候です。 火星人の感情線が赤色ならば、この方の情愛は鮮烈で熱いでしょう。月宮人の場合は冷たい心が暖められ、利己主義が改善されます。 土星人ならば、人類を憎む気持ちが軽減されます。 金星人や太陽人にとって、赤色はあまりにも強すぎます。 深い感情線が赤色というのは、あまりにも強い組み合わせで、多くの場合、よいことではありません。せっかくの優れた線が過剰となりますが、過剰は望ましいことではありません。 細くて狭い線、幅が広くて浅い線、鎖状の感情線に赤色が観られることは稀です。このようなケースに出会ったら、それらの形状の特質が軽減されます。 感情線が黄色ならば、たとえ深くて鮮明な線を持っていても、情愛に病的な面が加味されます。たとえば愛する人々に疑いの目を向けるなどです。胆汁は全てを台無しにします。優れた感情線を持っていても、愛情に悲観的な見方を加えます。感情線が黄色なら、たとえ深い線でも信頼できませんし、白色よりも裏表があるかもしれません。白色は単に無関心なことを示しますが、黄色だと物事を見る目がゆがんでくるからです。 土星人に黄色い感情線があると、この世で最も卑劣なタイプの人で、簡単な誘惑で犯罪人になります。水星人の感情線が黄色で、このタイプの中でも極端に抜け目ない悪いタイプならば、簡単に詐欺師になります。さらに、あと一押しされたら悪漢になります。黄色い感情線ということは毒を持つことで、どのタイプであってもマイナスに作用します。 感情線がブルーならば、心臓の働きが悪く血液の流れが悪いことを示しています。この場合はすぐに「宮」を確認してください。太陽人ならば事は深刻です。すぐに爪を見て、構造的な問題か、単に血の流れが悪いかを判断します。同時に生命線を検討します。損傷があるかどうか、生命に終わりが来ていないかを調べるのです。この両方を見ればブルーの感情線が、どのくらい深刻かが分かります。 感情線に現れているマークが、健康問題なのか、人生における問題なのか、それとも性格を示しているのか、常に判断を求められます。多くの優れた手相家も、この事で悩むようです。この問題を解決することは難しくありません。 感情線は、第一に心臓という臓器の働き具合を示しています。 第二にその結果から来る健康状態・心の状態・情愛の質を示しています。 第三は心の状態によって、この方は異なった方向に強く引っ張られることがあります。そこで強い好みが出て来て、人生においてある種の出来事が生じます。 これらの全ての事が、全ての手に観られるわけではありません。第一と第二は、必ず見られますが、第三はときどきだけです。 頭脳が強烈な印象を受けるだけで線に変化が現れます。したがって第三のようなケースは、頭脳が強烈な印象を受けた場合だけ、手に線として現れます。 通常と異なる線 異様な線の形状に出会ったり、あるいは通常とは異なっていたら、健康状態が示されているのか、それとも性格が示されているのか迷うでしょう。この場合、あなたが最初に考えるべきなのは、線が示す心臓の臓器的状態です。次にその方の「宮」タイプを調べて、心臓に欠陥が出やすいかどうかを見ます。もし欠陥がでやすいタイプなら、健康状態を示している可能性が高まります。 次に、爪を調べます。構造的な心臓病の傾向がないでしょうか。あるいは爪の根元が蒼くなっていないでしょうか。その両方、あるいは片方が見られたら、健康問題を示していると考えてよいでしょう。 生命線を見て、ばらつき、破断、分裂、島、交差線が無いかどうかを調べます。特に感情線の欠陥から、生命線の欠陥まで線が走っていないかを見ます。もし生命線に欠陥があれば、感情線が示すのは肉体的な心臓に関するものだということが分かります。 土星線は二つに別れたり、欠陥の症状を見せることで、ときどき生命線に現れる変化を確認します。水星線は生命線に欠陥のあるのと同じ時期に停止するなどで、やはり問題を追認することがたびたびあります。 このような健康上の欠陥が見当たらないならば、感情線に現れている症状は情愛に関する性格の変化であり、病気ではありません。 通常と異なる線の形状と出会ったら、この方法を必ず採用してください。つまり病気関係の全てを検討します。まずは「宮」のタイプが持つ持病があります。次に爪を見て、色を見て、現在見える欠陥と関係のある全ての線を観察するのです。このように注意深く観察することで、心の問題か、あるいは病気なのかを判断できるようになります。 まずは感情線をスタート時点から検討し、最後まで眺めて欠陥が無いかどうかを見ます。分岐や横棒や島やドット、切れ目などがあるかもしれません。このような欠陥があれば、健康に問題があるか、感情の面で何か問題があった事を示しています。 その場合、上記の手順で検討し、健康問題かどうかを調べます。もしも健康問題なら、その問題がどのように感情に影響するかを判断します。健康に問題がないようならば、当然、他の方向に関心を向けます。 分岐という欠陥 まず分岐という欠陥を見ますが、これについてはどう判断したらよいか、読者の方はすでにご存知のはずです。これが健康の問題なら、分岐の程度が重要となります。何しろ分岐することで、気電流の流れも、本来の流れから分かれてしまうからです。健康の欠陥としての分岐は、心臓が弱っていることを示し、血液の循環に問題があることを示します。線からこれがいつ頃に起こるか、その年齢も分かります。 心の面を見る場合は、場所、分岐の大きさ、どの方向に向かっているかなどを観察して判断します。分岐線は、本線から上または下方向に向かいますが、上に向かうほうがよい兆候です。 感情線から上に向かう支線は、いずれかの「宮」に向かっています。これは心がその「宮」の性格に惹かれたか、その「宮」タイプの方に魅かれたことを示唆します。その感情が強烈なので、主線から分岐する線が「宮」に向かってでるのです。 そこで、第49図のように感情線が木星宮に向かっている場合は、野心が愛情を先導しているか、木星人タイプの人に惹きつけられていることを意味します。この木星人タイプの方は金持ちとは限りませんが、権力があるか、昇進を約束できるような方です。 第50図のように土星宮に向かって伸びている線は、この方が土星人のもつ特質に魅かれていることを示唆しています。この場合、まずこの方がどの世界に属しているかを観察します。メンタルな世界に属しているなら、土星人のメンタル面に魅かれます。つまり学究肌のかたに魅かれています。 この方の真ん中の世界が強ければ、農業や鉱山で働くような方、園芸とか科学に才能をもつ方に魅かれます。 もし一番下層の世界が最も強いならば、土星人特有の節約指向の高い方を愛します。 どの場合でも土星人特有の、節度のある態度、注意深さ、知恵などに魅かれています。魅かれている本人は土星人タイプではないかもしれませんが、そのような気質を尊敬しています。あるとき、きわめて軽薄なタイプの方にこの線を見ましたが、彼らは土星人の特質を必要としていることを、自覚しているのでしょう。 第51図のように分岐線が太陽宮の方向に昇るのは、これまでの説明と同じように、この方が太陽人に惹きつけられていることを示します。この手相の持ち主が頭脳世界〔メンタル世界〕に生きている人ならば、明らかに理想的な芸術家タイプに魅かれています。この方の中間世界〔実用世界〕がもっとも目立つならば、この方は芸術家を愛しますが、同時に芸術でおカネを生むことも求めます。一番下の下層世界(物質世界)が強い方ならば、洒落た服を着るファッション性のある方を好みます。 太陽人の性質を知っていれば、このような手相を持つ人が太陽人を好むことが分かるので、いくらでもこの方の好みを説明することが出来ます。 第52図のように、分岐線が水星宮のほうに上昇していれば、この方は水星人の持つ特性に魅かれています。この場合もどの世界に属しているかを見ます。上層世界が発達しているならば、水星人の持つ雄弁さや流ちょうな語りに魅かれています。中層世界が強いならば、水星人のもつ科学性に魅かれています。下層世界ならば、おカネを生む力に魅かれています。この場合、この方の愛情は相手の方がどのくらいのお金を持っているか、あるいは稼げるか、で変わってきます。 これらの分岐線が「宮」と「宮」の間に延びている場合は、しっかりと判断しなければなりません。どちらの宮に向かっているかがはっきりしない場合は、どちらの「宮」が鮮明かを見ますが、判断には注意が必要です。このような場合、優れた判断を下すよう最大限の努力をします。 第53図のように感情線から分岐線が下降している場合は、頭脳と感情が衝突を起こしていることを示しています。分岐線が下降している時期に、感情は頭脳の強い影響を受けています。 よくあるケースですが、感情線の全般に渡って、はっきりした分岐線が下降しているならば、頭脳と感情が支配権を巡って絶え間なく衝突していることを示します。昔の手相家たちは、これは「愛と悲しみと失望」を示すと判断してきました。 確かにこの線は、頭脳が、ハートの抱える感情をコントロールしようと努力していることを示しています。そのことから昔の手相家の理由付けが読み取れます。たとえば誰かがハートで恋をしていても、頭脳が他の人のほうが貴方に合っていると主張します。そこで計算〔頭脳〕が感情〔心〕を抑圧し「愛と悲しみと失望」が起こるというわけです。 第54図のように、感情線から太い線が分岐して、頭脳線と融合することがあります。これはハート〔心〕が頭脳に降伏して、それ以降、頭脳の支配を受けていることを示します。頭脳に支配されるようになった年齢は、線が分岐したところからです。そして頭脳線に吸収される時点で、頭脳の完全な支配を受けるようになっています。 第55図のように感情線を横切る線がたくさんあるなら、病気かあるいは愛情問題で常に感情がいたぶられていることを示しています。このようなマークを見たらその原因が健康にあるのか愛情問題にあるのかを突き止めましょう。健康問題だと分かれば、線の切り込みの深さに注意します。小さな線だったら、構造的ではなく、生理的、心理的な心臓の障害を示しており、一時的なものです。もしも線が深かったら事態はもっと深刻です。この場合はそれらの線を詳しく観察して、どの程度深刻な影響があるのかを判断します。 感情線を横切る線がたくさんの場所に見られたら、この問題には継続性があることになります。心臓病ならば心悸亢進(動悸がひどくなる症状)か弁膜に問題があります。このような場合、感情線は終わりに近づくほどだんだんと弱々しくなり、横切る線も深くなります。横切る線が病気のせいではないならば、そのような線が現れる年齢に、愛情面での問題が生じることを示しています。 「島」 感情線の破綻は、それが太陽宮の下のあたりで現れると、最も深刻です。第56図のように感情線に「島」があるようなら、それは常に欠陥です。「島」はライフカレント(気電流)の流れを妨げますし、心臓を弱め、ほとんどの場合、肉体的に心臓が弱いことを示しています。 「島」の大きさは事態の深刻さを示します。小さな点ならば、一時的な障害です。大きくて深く刻み込まれた「島」ならば生命に危険があります。 「宮」の下に現れる「島」は、「宮」の持つ健康問題に心臓病の問題を追加します。このような場合は、この方の「宮」タイプを確定し、その方の健康に問題があるならばそれに心臓の衰弱を加えます。感情線に「島」があるのは、健康に問題があるかもしれないという警告です。 手のひらにあるチャンス線が、感情線の「島」の近くに接していたら、その発祥の場所を調べることで「島」に関しての情報をどこで集めたらよいかが分かります。 分岐線が感情線の「島」のそばから上下に伸びていたら、その線がどこで終わるかで、「島」がどのような影響をもたらすかが分かります。 「島」を見つけたらそれが健康問題であるかどうかを、まず判断しますが、ほとんどの場合は健康問題です。そうでないならば、チャンス線などの他の線を調べて、感情面で失望があったのではないかどうかを調べます。 太陽宮の下にある「島」は常に健康面の問題を示しています。そのことを爪などから確実に確認できるでしょう。 「点・ドット」 第57図のように感情線に点があるのは、通常、健康問題です。その問題の深刻さの度合いは点の大きさで分かります。このような点を発見したら、心臓に問題があるかどうか確認してください。他に特に健康問題を示唆する兆候がなく、点が小さければ、深刻な問題ではありません。他にも心臓の問題があり、点が大きいときは、問題が大きくなります。 「破断」 感情線に様々なサイズの破断が見られる事があります。破断が起こると、ほぼ確実に破断された線のどちらかの端が広がっており、何の影響で破断が起こされたのか、推察できます。破断は、それが小さなケースでも深刻な問題です。破断の幅が広かったり、破断された線が修復されていなければ、生命に危険があるような重大事です。 どのような大きさでも破断が見られたら、修復の印を探します。線の端が重なっているとか、姉妹線があって端をつないでいるとか、四角な線で破断が囲まれているなど、何かが気電流の流れを正常なコースに戻しているかどうかを見ます。修復の印があれば、深刻な問題が破滅に至らずに済むことを示しています。 破断は、これが健康問題を示しているのかをまず検討します。健康問題ならばこの方は病気です。健康問題でないのならば、愛情問題に破綻が起きています。 第58図のように線が破断しており、木星宮のほうに上昇しているならば、木星宮の方向に分岐している線の場合と同じように診断します。これは木星人の持つ特質がこの方を惹きつけていることを示します。この破断が健康問題を示しているなら、木星人の過食の特性が心臓にまで問題を及ぼしているのでしょう。過食は心臓に悪影響がありますが、原因を取り除けば解決できます。 破断の原因が健康問題でないならば、木星人タイプの特質が破断を起こしたのでしょう。巨大すぎる野心とか、行きすぎたプライド・自尊心(木星人の特質)のためです。 破断の後の線の性格も必ず検討してください。その変化が破断の結果を語っています。破断の後の線が深いまま継続しているならば、問題を乗り越えています。線が細くなっていたり、鎖状になっていたり破綻が見られるならば、問題は継続しています。その線の変化が起こるところを見て、問題が起こる年齢も分かります。 第59図のように土星宮の下で破断しているならば、最初に健康面の欠陥を調べます。土星人の健康面での問題は、痛風とリウマチです。これらの病気は心臓の働きを複雑にします。リウマチはこの手相のマークから診断できることがよくあります。 体の欠陥がどれほど深刻なのかは、生命線を見れば分かります。破断が健康問題でないならば、土星人かあるいは土星人のもつ特質が、線の破断を起こしています。これらのケースを判断するには、充分な注意が必要です。顧客の「宮」のタイプが分かれば、その「宮」タイプの健康面、愛情面で影響を受けやすいことになります。 感情線が第60図のように太陽宮の下で破断しているならば、ほぼ間違いなく健康に欠陥があります。他にも心臓病を示唆する特徴が無いか、精査してください。心臓病は太陽人に多いですが、全ての太陽人が心臓病を抱えているわけではありません。破断した線が、太陽宮の方向に上っていないかどうかを見てください。深く赤い線が向かっていれば、さらに確実に心臓病を示しています。 もしも健康面の問題でなければ、感情面で太陽人からの影響を受けています。第60図の太陽宮の下の線の破断は43歳ぐらいで起こっています。もっと若い段階で太陽人に感情面で強く魅かれていたら、第61図のように、チャンス線が感情線から早めに発生し、太陽宮の方向に向かって伸びます。 第62図のように感情線が水星宮の下で破断していたら、ほとんどの場合、水星人の特質による健康問題ではないでしょう。なぜなら水星宮の下ということは、感情線から見た年齢が60歳代になっており、この年代になると心臓の働きが弱まっても不思議ではないからです。したがってこの破断が健康面であると観るならば、心臓機能が衰弱している可能性を考慮してください。 この年齢で愛情面から破断が起こるというのも、考えにくい面があります。60歳というとすでに、若さから来る失恋の年齢を過ぎているからです。 水星人に対する愛情が感情線に影響する場合は、線の破断ではなく第61図と似たようなチャンス線で現れるでしょう。第62図のような破断があれば、健康に欠陥が生じていると見るのが普通です。そうでない場合は、他の「宮」のケースと同様に破断の原因を探してください。 これまでの破断線は、断線が「宮」に向かって行くケースでした。ところが多くの破断線は、ただ断線されているだけで線と線の間に空間があるだけです。これらの断線も健康や感情の欠陥を示しています。この場合は空間の大きさなどをみて、すでに示された一般的な考え方にしたがって判断してください。 第63図のように感情線に破断がたくさん見られるようならば、心臓に問題が続いたか、あるいは悲恋をたびたび経験しています。破断が短い間隔で続いていたら、心臓に欠陥があるでしょう。 第64図のように、破断された線が「宮」のほうに上がるのではなく、頭脳線のほうに下がるならば、破断が起こる時期に頭脳がこの方に大きな影響を与えています。つまり冷たい論理が暖かい気持ちと戦っています。 第65図のように破断の線が短ければ、頭脳が完全に支配したわけではないでしょう。しかし第65図のように、破断した線が頭脳線に吸収されているようならば、理性が感情を圧倒しています。 このときに、破断の幅が広ければ、この方はこの問題から完全に立ち直ることは出来ないでしょう。幅が狭ければ立ち直ることが出来ますが、この時期は不幸です。破断の起こっている場所から、これらの出来事が何歳の時に発生するかが分かります。また破断線が終わるところで、何が原因かが分かります。 線の変化は無限に存在しますが、原則的な法則を当てはめることで、それぞれ論理的に正しく診断できます。 第66図のように破断線が落下して頭脳線を鋭く切断するならば、破断の原因が健康面であれ感情面であれ、頭脳線を切断する時期に、頭脳に大きなダメージがあることを意味します。 第67図のように、2本の線が交差するところに星印があれば、頭脳線に爆発が起こると見てください。感情線が破断した原因が健康であれ感情であれ、脳が熱をもち、時には死に至ります。死に至るかどうかは生命線を見てください。さらに切断された後の頭脳線も観察してください。 第68図のように感情線に切断された頭脳線の下側に「島」が見られたら、頭脳はきわめて繊細な状況に置かれています。この微妙な状態は「島」が終わるまで継続します。このときの年齢は頭脳線から読み取れます。 第69図のように破断があった後の線が鎖状ならば、破断の原因が何であれ、完全には回復していないことを意味します。 第70図のように破断の後に一つまたはいくつかの「島」があるならば、この「島」がある間、微妙な状態がつづきます。 第71図のように破断された空間が、明瞭な星印で埋められているならば、このかたは突然亡くなるか、星印が示す年齢のあたりで厳しい心臓発作を起こします。とくにこの印が太陽宮の下にあったら、死が確実です。 第72図のように線が破断された場所が横線により切られているならば、気電流は流れないので心臓が停止するなどして突然死をします。その確率は95%です。 第73図のように、横棒が破断された線の両側に観られるならば、99%の確率でこの方は心臓病で亡くなります。 修復 どのていど深刻な状態かは、修復が行われて気電流が本流に戻れるチャンスがどれくらいあるかで判断します。 修復として理想的なのは、第74図のように、2つの横棒の端が姉妹線で結ばれることです。この場合、破断があった時は危険な状態にさらされましたが、姉妹線があるので、気電流は本線に戻れます。 第75図のような場合にも深刻な欠陥は四角でなんとか修復されます。この場合、気電流は四角の囲いの中に流れ込みます。破断が起こったときは深刻な心臓の障害ですが、囲いがしっかりとしてれば、気電流は感情線に戻れるでしょう。 第76図のように感情線の破断のところにはっきりとしたドットがあるならば、そのドットがある年齢に、深刻な心臓病にかかります。ドットが深くて大きいならば致命的な問題になるでしょう。ドットが小さければ、深刻な病気ですが、回復できるでしょう。 星 感情線上にある「星」は、光り輝くマークであるか、あるいは爆発を示します。このマークを見たら病気なのか愛情を示すのかを、まず判断します。病気ならば心臓病です。第77図のように「星」が小さかったり、形が悪かったら厳しい病状です。「星」が土星宮の下にあれば心臓のリウマチが深刻です。 第78図のように「星」が大きく形が整っており、線の真上にあるならば、大きすぎますし爆発を意味します。これは「星」が現れた年齢で心臓病で突然死を起こすことを示しています。 第79図のように「星」の後の線が鎖状になっていれば、その方は厳しい心臓病に罹り、完全に回復することはないでしょう。 第80図のように「星」の後に「島」が現れていれば、厳しい心臓病に罹り、その後も虚弱で、「島」のある期間、危機状態にあります。これらのことが起こる時期は、感情線から読み取ります。 第81図のように「星」の後の線が細く狭くなる場合は、「星」がしめす病気によって心臓の活力が失われ、それが継続することを意味します。同時にこの方は感情的に冷たくなり、物の見方も狭く利己的になります。 線の欠陥にはいろいろな組み合わせがありますし、感情線の各部における特徴も無限に多彩です。線の各部における多彩な特徴は、その時期に起こった事を示しています。線の様々な形状の特徴については、これまで説明してきた通りです。 したがって実際に手相を見る時には、線の形をみて特徴を判断し、そのイベントが起こる年齢を、線上の位置から判断します。さらに色を見れば、イベントの強弱も読めます。大きくて赤い「星」は、大きくて白い「星」よりも過激です。黄色い「星」は神経質で陰気で、醜い性質を示します。 線上の欠陥は、健康か感情面での出来事を必ず示しています。これまでに説明してきた方法で区別をして、欠陥の意味を理解し、どの程度深刻なのかを述べましょう。 「気電流」の理論を常に念頭に置いておいてください。気電流が何をしているのか、気電流の流れる線がどの程度、機能しているかは重要です。気電流を流れと捕え、円滑に流れているか、欠陥によって邪魔されているかを判断します。 全ての仕事の基礎に「宮」タイプがあります。「宮」の知識を使い、線のいろいろなケースに組み合わせることで、それぞれの出来事が何を意味しているかを判断できます。さらにその方にどのような影響を与えるか、修復されるか、それとも損傷を与えるかが分かります。 線を読む時はゆっくりと行ってください。はじめての手を観て、すぐに線の意味が分かると期待しないでください。最初、何も思いつかなくても混乱しないでください。注意深く考え抜いてください。 決して急いではいけません。特に「何かを言わなくてはいけない・・・」と思ってはいけません。心の中に明瞭な考えが浮かぶまで待ちましょう。 練習を積むと、仕事の速度も速くなります。それは子供が小学校から中学、高校にすすむような感じです。まずは理論をしっかり頭に畳み込み、それから実践で応用できるまで練習を積みます。 この章で私が狙ったのは、線の読み方を教えることです。何を示唆しているのかの一般的なルールを示し、それを応用することです。ここでは感情線のみの変化について述べました。他の主要な線についても徹底的に理解すれば、全ての組み合わせが分かるようになります。 この章で取り上げた図版は、線の変化の可能性を理解するためのものであり、何千とある線の変化のごく一部です。鉛筆と紙を使って、異なった組み合わせを描いて、それが何を生むかを学ぶのは、優れた訓練方法です。感情線を始めとするいろいろな線を判断するときには、理由を熟慮することと判断力が大切なことを忘れないでください。□ |